OpenAI、EU向けにChatGPT出力へ不可視の電子透かし APIは全世界で任意適用
OpenAI電子透かしEU AI Act規制コンプライアンス
OpenAIが単語選択に統計的信号を埋め込む電子透かし「textGrain」を発表した。EU AI Actの透明性義務への対応として、EUのChatGPTとCodexへ数週間かけて展開し、APIは全世界でオプトイン提供する。検出器は承認された研究者・専門機関に限定され、精度には明確な限界がある。
何が発表されたか
- OpenAIが「textGrain」を発表。モデルの単語選択に人間には見えない統計的な信号を埋め込む不可視の電子透かし
- EU AI Actの透明性義務への対応として、EUのChatGPTおよびCodexの利用者へ数週間かけて展開
- APIは発表日から全世界でオプトイン(既定はオフ、対象は選択されたモデル)
- 検出器の提供は当面、承認された研究者・専門機関に限定。申請制
実務への影響
まず安心していい点として、APIは既定オフなので、既存の生成パイプラインに勝手に透かしが入ることはない。一方でEUのChatGPT/Codexで書いた下書きには入るので、現地法人を介した制作や海外ライターの成果物が混ざる案件では、原稿の出自を聞いておく意味が出てくる。
検出精度の数字は正直で、ここが実務の核心になる。200トークンで約80%、400トークンで約95%。同義語で10%を置き換えると92%から66%まで落ち、数学的な解答のように語選択の自由度が低い文章では精度が大きく下がる。つまり短文・翻訳済み・手直し済みのテキストは検出をすり抜ける。「AI生成かどうかを機械的に判定して納品可否を決める」運用は、この段階ではまだ成立しない。OpenAI自身も、透かしが無いことは人間が書いた証明にはならないと明記している。
当面の実務的な置き方は、検出器に頼るのではなく、AI利用の範囲を契約書と納品書に自己申告で書く形を維持すること。EU向けの案件では、透明性義務が「実装」として現れ始めた最初の例として押さえておきたい。
利用条件
API利用者は設定でオプトイン可能。検出器は申請・承認が必要で、一般公開はされていない。
